| ●映像を集めるわけ 
 なぜ映像を集めているかといいますと、写真や実際の資料だけでは、わからない部分を記録することができるという特徴があるからなのです。それは何かというと、映像では人や物の動きを記録、再生ができるということなのです。もちろん実際に動物や昆虫のいる場所や工場などの様子をお見せできれば最もよいのですが、場所や時間の関係でなかなかできません。そこで、映像の登場となるわけです。
 たとえば、ある漁法が廃れてしまったとします。その漁法で使われる漁具が残っていたとしても、一体どのような漁法であったのかを知ることはできません。しかし、そこに漁の様子の映像資料が残っていれば、どのような漁法であったかは容易に知ることができます。実際の資料と映像をあわせることで、多くの情報を収集することができるわけです。
 
 ●映像撮影の道具
 
 
 
撮影機材を見てみましょう。映像収集は、軽量で小回りがきく小型のデジタルビデオカメラで撮影しています。また、夜間にはライトを使い、水中では防水キットを使うことによって、撮影することもできます。こうして、いろいろな場所で撮影します。 
|  ▲デジタルビデオカメラ
 運動会などでよく目にします
 |  撮影した映像編集・データベースへの登録撮影した映像は資料として整理していく必要があります。この映像は、内容を確認し、データベースへ登録します。さらに、パソコンで編集作業や編集した映像の保存作業をして資料や番組にします。
 ●映像のデータベース化
 
 まず、撮影したテープは、後で利用しやすいようにデータベースに登録します。登録には、「撮影した日時」「撮影した場所」「撮影した人」「撮影した内容」「検索するためキーワード」などのいろいろな情報をデータベースに入力しておきます。登録した内容は、ラベルに打ち出してテープのケースにきちんと貼っておきます。こうすることで、簡単に収集した映像の中から目的の映像を探し出すことができます。
 
 
 
 
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| ▲データベース登録画面 ここでいろいろな情報を入力します
 | ▲テープのケース 情報をラベルにしてテープに貼り付けます
 |  ●映像の編集
 
 パソコンを使用して、撮影した映像を編集します。デジタルビデオカメラで、撮影した映像をいったんパソコンに取り込み、パソコンで必要な部分、不必要な部分を切り分けていきます。
 必要な部分だけになった映像は、再びビデオテープに記録し保存します。パソコンでは映像もデジタルデータで扱われるので、編集作業やダビングで映像が汚くなることなく、必要に応じて何度も手直しを加えながら編集作業を行うことが出来ます。
 展示に使うときは、編集した映像に音楽や解説の文章を付け加えて、番組にしてからDVDディスクに書き込んだり、ビデオテープに録画したりします。
 
 
 
 
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| ▲編集中の様子 | ▲映像編集ソフト画面 ここで編集、文字入れなどをします
 | ▲映像を記録したDVDディスク |  ●映像資料の保管
 
 撮影した映像や編集した映像は、長く保存する必要があります。テープにカビが発生して痛むことがないように湿度の調整された保管庫の中で保管します。また、テープのたるみが起きないように縦置きにしておきます。
 このようにして、収集した映像は、研究用の資料や展示用の番組として長い間保存し利用しているのです。
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