愛媛県総合科学博物館       お問い合わせ
科博について 施設案内 利用案内 交通アクセス
学芸員のおもしろ実験&研究  
トップ 学芸員のおもしろ実験&研究へもどる
 
●タービンロータ●

産業研究科 学芸員 吉村久美子
「タービンロータ」って聞いたことありますか?
火力発電所や原子力発電所のタービン内で、蒸気を受けて回転する羽車のことです。


火力発電所のしくみ

 今夏に開催する特別展「わくわく!エネルギー体験館」の準備のため、県内のいろいろな発電所に調査に行ってきました。すると、意外にもタービンロータが発電所内で大切に展示されているのです!そのタービンロータは、やはりどれもその発電所の1号機のものでした。では、その写真を紹介します。 (写真はクリックすると拡大されます。)

住友共同電力(株)新居浜西火力発電所内に展示されている高中圧タービンロータ
使用年 昭和34年8月~平成6年9月
使用場所 住友共同電力(株)新居浜西火力発電所1号機
発電機出力 75,000kW
入口蒸気圧力
入口蒸気温度 538℃
回転数 3,600rpm
製作者 三菱重工業 株式会社 長崎造船所

四国電力(株)西条火力発電所内に展示されている高中圧タービンロータ
使用年 昭和40年~平成10年
使用場所 四国電力(株)西条発電所1号機
発電機出力 156,250kW
入口蒸気圧力
入口蒸気温度 566℃
回転数 3,600rpm
製作者 株式会社 東芝

四国電力(株)伊方発電所内に展示されている低圧タービンロータ

なんと、直径約4.5m!
使用年 昭和52年2月~平成10年1月
使用場所 四国電力(株)伊方発電所1号機
発電機出力 566,000kW
入口蒸気圧力
入口蒸気温度 270℃
回転数 1,800rpm
製作者 三菱重工業 株式会社 高砂製作所



 そして今回、喉から手が出るほど欲しかった貴重なタービンロータを手に入れることができました!それは、新居浜市内の発電所で昭和11(1936)年から使われはじめたものです。そのタービンは、当時日本で前例のない回転数3600回/分の大型機であり、大変注目されたものでした。

〈資料概要〉
資料名 高圧及び低圧タービンロータ
使用場所 住友共同電力(株)
新居浜東火力発電所2号タービン
使用認可年月日 昭和11年12月12日
最大認可出力 20,000kW
型式 三菱ツエリーインパルス
横軸2気筒複流型
蒸気圧力
蒸気温度 415℃
回転数 3,600rpm
製造者 三菱重工業 株式会社
長崎造船所

今年、博物館からお願いしたところ、持ち主である住友共同電力株式会社さんが快く寄贈してくださいました。戦前から新居浜市内の諸工業に電気を供給し、昭和の新居浜の発展を支えてきたタービンロータ・・・。そう考えると、何日もかけてタービンロータを取り出し博物館へ運ぶ作業は、何か儀式のようで感慨深いものがありました。

今夏の平成15年度特別展「わくわく!エネルギー体験館」にて、初公開しますので乞うご期待!特別展の後は、博物館の屋外展示場で展示公開し、大切に保存していきたいと思います。

平成15年度特別展「わくわく!エネルギー体験館」
平成15年度特別展「わくわく!エネルギー体験館」
クリックすると拡大します)
タービンロータが博物館に運ばれるまで
写真はクリックすると拡大します。

発電所内のタービンと発電機 発電所内のタービンと発電機
 
タービンの外枠吊り上げ中 タービンの外枠吊り上げ中
 
タービン外枠がはずれたところ タービン外枠がはずれたところ
 
ロータの吊り上げ ロータの吊り上げ
 
トラックへの積み込み トラックへの積み込み
 
博物館へ到着 博物館へ到着
クレーンで積みおろし
 
只今 博物館で仮置き中 只今 博物館で仮置き中



戻る戻る 次へ次へ

トップ 学芸員のおもしろ実験&研究へもどる
このページの先頭へ

このホームページに含まれるデータは愛媛県総合科学博物館が著作権を保有しています。掲載情報の許可無き転載を禁止します。
All Rights Reserved Copyright © 2009 Ehime Prefectural Science Museum (JAPAN)